かおすもにゅめんたむ

独自な視点でアニメ・声優・ゲーム・アイドルなどを考察するブログ

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アニメ『やがて君になる』6話感想 - 批判的な意見なのでファンは読まない方がいいです

2018秋アニメ『やがて君になる』6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」感想です。

前回あらすじ
侑の家の書店では友人たちがよく本を購入する為、皆の読書傾向が把握出来る様子。ある日侑が店番をしていると、いつも参考書や売れ筋の文庫を購入する燈子がとある本を差し出した。実はその本の内容は・・・。また、生徒会では中間試験を来週に控え、活動が休みになるという。生徒会役員として恥ずかしくない成績で戻ってくるよう伝えられた侑は・・・。

感想

言葉は閉じ込めて

文化祭の生徒会劇の脚本を書く人が見つからず、燈子は生徒会メンバーに物語を書ける人がいないか尋ねる。侑はこよみが適任だと思いつつも言い出せないでいた。どうすべきか思い悩んでいるところを沙弥香に見つかってしまう。沙弥香は侑になぜ言い出さなかったのかを問いただす。

沙弥香「燈子ならいつも通り完璧にこなしてくれるでしょう。…なんて、私が無邪気に信じてるとでも思った?

沙弥香は燈子が強がりだということを気付いていたが、燈子の意思を否定する侑が受け入れられなかった。

沙弥香「あなたが心配しなくても大丈夫よ。私が付いてるもの。

なぜ劇にこだわるのか疑問に思う侑に沙弥香は7年前の生徒会を調べろと告げる。侑は資料を調べるが全て抜き取られていて、姉の知り合いを伝に7年前の生徒会長は燈子の姉の七海澪だと知る。そして澪は文化祭の直前に交通事故で亡くなったという。生徒会劇はそのときから中止になった。教師は燈子は澪とそっくりだと言うが、侑は燈子が澪になろうと努力した結果だと知るのだった。

言葉で閉じ込めて

侑は燈子を誘い、姉の話を切り出す。侑は燈子に劇を辞めないかと持ちかける。

侑(だって、私は本当のあなたを知っててそれでも一緒にいたい。好きになりたい!
燈子「そんなこと、死んでも言われたくない。

燈子「私がお姉ちゃんみたいに振る舞うとみんな喜んでくれる。特別だって言ってくれる。君の前でただの私に戻るのは居心地がいいけど、みんなの前で特別でいることはやめられない。

侑(正直、私の言うことなら耳を貸してくれるって思ってた。先輩は私から離れられないって。先輩と一緒にいられないなら私に誰が好きになれるの…いやだ!

侑「本当は寂しいくせに!寂しくないなら誰も好きにならなくていいもん。弱い自分も完璧な自分も肯定されたくないくせに。誰かと一緒にいたいんだ!だから私なんでしょ。

侑「先輩のこと好きにならないよ!

侑(私も変わりたい。なのに嘘をついたのはきっと私も寂しいからだ。

燈子(どうか侑。私を好きにならないで。

感想

最初に褒めます。アニメ的な演出はうまいです。特に毎話最後に盛り上がる展開を持ってきて次回を楽しみにさせる手法は巧いです。そして感情をしっかり描いていくのは嫌いじゃないです。恋愛アニメなのにテンポ重視で感情をあまり描かないものが多い中で得難いアニメだなと思います。あとは批判です。

私が3話の感想記事で述べたのが、まさかそのまま真実だとは思いませんでした。

そしてそれって結局、侑が燈子のことを好きになっちゃいけないってことと同義になるんだが、それでいいのだろうか。2話で燈子が侑に付き合えとは言わないと言ったのは、それを意図しているように思うが、もしそうだったら燈子はとんでもなくわがままな人間だろう。まあ作中でもワガママな人間だということは描かれているが、正直他人をなんとも思っていなさすぎるというか、完璧を演じていることを含めて典型的な自己愛性パーソナリティ障害です。そういう描写を目指しているのならいいけど、その解釈でいいのかなあ…

結局それは、最初から最後まで燈子の心情描写は一貫しているということで矛盾のない美しい脚本なのですが、この打算にまみれたキャラクターが私は好きになれないというのはこのブログでも何度も何度も述べてきた通りです。まあ打算のない関係なんてないでしょう。『BANANA FISH』では汚れのない友情が描かれていますが、現実的にはそんなもんはないです。ただ燈子のやり方は何度も言いますが、侑の優しさに漬け込んでいるだけにしか思えません。

もちろん燈子も姉を亡くして心中察する部分はあります。周りの人から姉と同じになることを求められてそうなるように仕立てられた燈子も被害者でしょう。しかしそれでもやっぱり、燈子に対するもやっと感が拭えません。侑も自分が寂しいから燈子を利用しているような心情描写が今回はありました。しかし、これはやっぱり対等ではなくて侑は確かに誰かに頼られる気持ち良さに酔っているのですが、それは侑の自分の気持ちに折り合いを付けているだけで、燈子のように他人の心を束縛しているわけではありません。

沙弥香も侑にねっとりとした嫉妬をしてくるのがなんか好きになれません。このアニメは侑以外がどうも私は受け入れられないというか、なんかなあと思ってしまうのです。性格をフィクションのアニメらしい天真爛漫一点の汚れもない女の子ではなく、影のあるキャラにしているところは目新しさがあるのですが、それがリアリティーに繋がっているかというと違うと思います。まあアニメなのでリアリティーなんかなくていいのですが、天真爛漫なキャラよりもアニメ的すぎやしないか。

燈子は人間らしいかもしれませんが、その人間らしさを人間らしさの少ない侑に無理に背負わせて作り上げたストーリーにしか思えないのです。このブログのもう一人のライターのかいぶつが、アニメを観る前に原作を読んで変なキャラクターばかりで好きじゃないと言った気持ちが今は分かりました。キャラクターの打算よりも、突飛なキャラクター設定を生み出した「作者の打算」の方が強く感じてしまうとも言えるでしょうか。

侑が好きです。私にとってこのアニメはこの感想以上ではありません。こんな感想をファンの方は見たくないと思うので次回からは書きません。ただ好感でも不快感でも、ここまで感情を揺さぶるアニメというのはある意味で大成功なのかもしれません。もちろんこのアニメを好きな方の気持ちを否定するわけでもありません。