かおすもにゅめんたむ

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アニメ『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』18話感想 - アッシュの幸せ

2018夏アニメ『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』18話「海流の中の島々 Islands in the Stream」感想です。サブタイトルはヘミングウェイの小説です。

前回あらすじ
精神衛生センターから脱出したアッシュはシンのアジトへ向かい、英二と再会する。ショーターが殺された理由を知ったシンは仲間に話そうとするが、アッシュに止められ、二人は対立してしまう。その頃、ゴルツィネは華龍に呼ばれ李家の屋敷に出向くも、そこにいたのは月龍で…。

第18話あらすじ


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

キッパード共和党議員がブランカによって暗殺された。そしてバナナフィッシュに絡んでいたホルストック大佐もブランカにより暗殺される。ホルストック死亡のニュースがアッシュのもとに届く。その暗殺者はブランカではないかとアッシュは推測するのだった。

ブランカはアッシュの隠れ家を突き止める。そしてアッシュがカーテンを開けた一瞬を狙って英二を狙撃する。英二はかすり傷だったが、アッシュはブランカへと電話を掛け、狙撃者がブランカで、作戦立案者が月龍であることを知る。


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

月龍は交渉を持ちかける。翌日の夜9時に8番埠頭12番倉庫に来いという。アッシュは子供の頃心を許していたブランカが敵に回ったこと、そしてブランカの腕に太刀打ちできない事実に衝撃を受けていた。英二はアッシュに日本に来ないかと持ちかける。

英二「アッシュ、日本に来ないか?何もかも終わったら一緒に日本に行かないか?

アッシュは英二に嘘をついて月龍に指定された場所へと赴く。月龍はアッシュに銃を渡し自殺すれば英二から手を引くという。アッシュは躊躇うことなく引鉄を引く。

月龍「あんなやつのために!なんで…なんでそんな簡単なんだ!
アッシュ「何言ってんだ?死んでみせろと言ったのはお前だろう

月龍は48時間以内にこれまでに集めたバナナフィッシュに関する情報を提出し、ドースン博士を引き渡さないと英二を殺すと告げる。その後アッシュは元の地獄のような生活に戻らされるが、それでもアッシュは全ての条件を呑むという。


© 吉田秋生小学館/Project BANANA FISH

月龍が去ろうとすると、アッシュはブランカに勝負を申し込む。それ受けるブランカはアッシュを赤子の如くあしらう。ブランカはアッシュに忠告する。

ブランカ「お前がムッシュに背いたと聞いて私はとても驚いた。お前は過去の確執はもう乗り越えたと思っていたからね。しかしあの日本人の少年を見て理由がわかった。だがそれは不可能なことだ。うさぎと山猫は所詮友達にはなれないのだよ。ムッシュはあんなことを言っていたが本心ではない。お前の才能を見出し、後継者として育てようとしたのはあの人なのだから。お前を教育するよう頼まれたとき私は断るつもりだった。だが、お前に初めて出会ったとき、この子はこの世界でしか生きられないと思った。だから生き延びるためのそのすべを教えてやろうと思った。お前は実に優秀な生徒なんだよ。私もお前が惜しいんだよ、アッシュ。」

アッシュは月龍の取引通りにバナナフィッシュの資料とドースンを引き渡し、自らゴルツィネに囚われる。

感想

余計なお世話だぜ。おれはいま幸福なんだ。この世に少なくともただ1人だけは、なんの見返りもなくおれを気に掛けてくれる人間がいるんだ。もうこれ以上ない、おれは幸福で堪らないんだ。

ブランカに告げたアッシュのこの台詞は印象的です。今までのアッシュの人生は全て大人に利用されてきているから、英二に初めて無償の愛を感じて、この想いに至りました。しかし実際のところ、アッシュを利害関係なしに気に掛けてくれる人物は他にもたくさんいたと思います。ただ英二が彼らと違うのは、2人の関係が完全に対等だからというところに尽きるでしょう。アッシュを過度に神格化するわけでもなく、軽蔑するわけでもなく、ありのままのアッシュを受け入れたのは英二が初めてだった。現実世界でも本当の自分を隠して友人や恋人を作りますが、ありのままの自分を受け入れてもらえるというのは得難いものです。もしそういう人に出会ったら、自分の命にかえても守りたいと思えるのでしょう。

ブランカ、最後に一つだけあんたに頼みが。あいつを殺さないでくれ。お願いだ…あいつを傷付けないでくれ…頼む。

月龍の嫉妬も自分には存在しない利害関係のない友人が、同じように手を汚してきたはずのアッシュには存在するという現実に耐えられないのかもしれません。

ブランカの忠告は少し言い訳めいているのかなという気がします。実際、一緒に過ごしているとアッシュは裏社会でなく暮らせる人間だということが分かったでしょうから、彼もアッシュに魅せられた一人で「私もお前が惜しいんだよ、アッシュ」というのが本心のすべてで、その台詞のための理由付けとも捉えられます。

シリアスな話が続きますが、英二がアッシュの世話を焼くシーンが癒し。英二が悪態をつくんだけど、さらにそれを上回る返しをするアッシュに言い返せなくなる英二の表情がかわいいです。

「海流の中の島々」はヘミングウェイの自伝的遺作で、作中でも登場したように『BANANA FISH』とリンクする部分がある小説だと思います。

海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)

海流のなかの島々 上巻 (新潮文庫 ヘ 2-8)

ブランカの台詞部分にミスがあったので訂正しました。お伝えいただきありがとうございます。