かおすもにゅめんたむ

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アニメ『京都寺町三条のホームズ』第1話感想 - 京都弁が印象的な低予算の美術ミステリー

夏アニメ『京都寺町三条のホームズ』1話の感想です。

 

あらすじ

京都寺町三条にある骨董品店『蔵』。まるでレトロなカフェの様な佇まいのこの店に、真城葵は祖父の形見の掛け軸を手に訪れる。そこにいたのは、類い希なる観察眼と恐ろしい推理力で「寺町のホームズ」の異名を誇る家頭清貴。清貴は葵に問いかける──
「……葵さん。もしよかったら、ここで働きませんか?」

 

感想

たまたまテレビをつけたらやっていたので、観てみました。ほとんど動かない画面とそれでも決していいとは言えない作画からあからさまに低予算なことが伝わってきます。アニメ制作を担当しているのはアニメーションスタジオ・セブン。成人アニメを多く手がけているアニメスタジオであり、近年はTVアニメの元請けも行っていますが、ほとんどが5分アニメです。この作品以外の30分アニメは『王様ゲーム The Animation』のみ。まあこの制作ならこういう仕上がりだよなと納得。

 

原作は投稿コミュニティサイトからスタートした、なろう小説のような経緯の作品みたいです。日常系推理物。

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1話の内容としてはホームズが贋作を見破るという掴みのエピソードの前半と主人公であるヒロイン真城葵と探偵であり、ヒーローでもあるホームズこと家頭清貴が出会うエピソードの後半という構成でした。鑑定士ものですので実際の骨董品のエピソードなどが語られますが、そのほとんどが静止画。それに推理物は内容の大半が人物の会話で構成されていて、動きのあるシーンは少ないですから作画のカロリーが低くて済みますね。

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ヒロインが彼氏持ちだったり、ホームズが京都大学大学院生という学歴であり、かつ喧嘩も強いというわかりやすい超人であったりするのは完全に女性向けだなあと感じさせます。舞台が京都ということで大半の登場人物は京都弁を話すのですが、けっこう違和感バリバリですね。京都出身者であれば聞くに堪えないかもしれません。ホームズは基本敬語で話していて、物腰が柔らかい印象ですが感情が高ぶると京都弁が出るという設定のよう。女性が喜びそうな設定です。

 

補足

ミステリ好きの私がちょっと追記します。まず主人公が京都大学院の院生というのは、京都大学は最近活躍している日本のミステリー作家の最大の出身大学であるからということが言えるでしょう。このため京都を舞台にしたミステリーは非常に多く、ミステリーと言えば京都、京都と言えばミステリーです。

次に骨董品の蘊蓄が多いですが、これもミステリーにはよくある衒学趣味を表現したものだと思います。本作はいわゆる美術ミステリーなので、美術に関する雑学はこれからも連発されると思います。

このようにミステリーの雰囲気は備えています。しかし作品はお粗末です。シャーロックホームズにも服装を見て、その人の性格や仕事などを当てる描写はありますが、本作では「サイズの合っていないスーツとくたびれた靴」からなんで「父のいない隙を狙って来た」ということが推理できる?葵が「半年前に京都に来た」のが「勘」と言い切る探偵。このアニメには『推理』が存在しません。

また「葵」から「下鴨神社」を連想していますが、名前は葵なのに下鴨神社を連想するか?いや連想しても良いです。しかしこれは推理ではないので、次の回に引っ張ってはいけません。それこそ勘ですと言い切らなければいけません。他に理由があれば別ですが。

メインの謎は「白隠禅師の赤子の絵の謎」ですが、これは白隠禅師のエピソードをそのまま流用したもので、史実から虚構を積み上げアクロバットな論を展開する美術ミステリーの中ではあまりに質の低いものと言わざるをえません。

元々なろう系(エブリスタ)小説に文句を言うのもあれですが、ライトミステリーならミステリー部分がなおざりでも良いやという感じが私には許せませんでした。

京都寺町三条のホームズ(コミック版) : 1 (アクションコミックス)

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京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

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イントロダクション

京都の寺町三条商店街にポツリとたたずむ、骨董品店『蔵』。

女子高生の真城葵はひょんなことから『蔵』の店主の息子、家頭清貴と知り合い、アルバイトを始める。

清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭く『ホームズ』と呼ばれていた。

葵は清貴とともに、客から持ち込まれる骨董品にまつわる様々な依頼を受けていく。

 

スタッフ・キャスト

スタッフ

原作:「京都寺町三条のホームズ」望月麻衣・秋月壱葉
双葉社月刊アクション連載)
監督:佐々木勅嘉
シリーズ構成:山下憲一
キャラクターデザイン・総作画監督:伊藤陽祐
プロップデザイン:清水美穂
美術監督:中原英統
色彩設計:近藤直登
撮影監督:堀川和人
編集:堀川和人
音響監督:八木沼智彦
音響:ザック・プロモーション
アニメーション制作:アニメーションスタジオ・セブン

キャスト

真城葵:富田美憂
家頭清貴:石川界人
梶原秋人:木村良平
円生:遊佐浩二
滝山利休:小林沙苗